ヘンテコ・ハウス

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 その街の某レストランに、ロンとトムはいた。 「そう言えばトム、キミの仕事は?」 「作曲家だよ。ロン、アンタは?」 「映画監督さ。だから、今回の奇妙なエピソードを絶対に作品にするんだ。でなきゃぁ、ナオに申し訳ないから‥‥」 「オレも作曲で協力させてもらうよ」 「ところでナオは、何者だったのかな‥‥?」 「確か、気づいた時に、ゼミがどうとか言ってたから、何処かの学生だったのだろう‥‥」  そこにメードが来て、二人分のマカロニを置いていった。  ロンは窓から空を見て、 「本当に奇妙な経験をしたモンだよな‥‥」 「誰も知らないだろうが‥‥」  そして二人がフォークを手にした時、その席の後方から、 『あの二人、例のヘンテコ・ハウスにいたらしいよ』 『よく出れたモンだな‥‥』  ロンとトムは思わず振り向いた。
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