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ロンがドアを開けると、そこには円柱形の白いホールがあった。
「もう、ここへ来て十日になるのに、まだ慣れない感じだな‥‥」
彼は、隣のドアに向かう。
その部屋にも、このヘンテコ・ハウスで住んでいる男がいるからだ。
ロンがノックしながら、
「おいトム、そろそろ朝のハズだけど、起きてるか?」
まもなくドアが開いて、男が笑顔を出した。
このトムは五十二歳。銀髪のセミロングで、中肉中背の感じだった。
「おはよう、ロン」
ロンも笑顔で、
「いつものパンとコーヒーってぇのは、どうだ?」
「もちろん賛成。ちなみに今日で何日目だ?」
「君なら多分、7日目だよ」
「もう1週間か……。ここのコーヒーやパンは美味いんだがな……」
「あれだけ絶品の料理が、即座に出せる――それだけは、この家の良いヘンテコだな‥‥」
トムは、ちょいとホールを見て、
「おっ、今日は普通のホワイトか‥‥。昨日は全面ブルーで、金魚バチに入った気分だったな‥‥」
「まぁ何でもイイけど、真っ赤だけは困るよ‥‥」
二人は苦笑しながら、中央の丸テーブルに向かった。
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