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「だけど、出血は無いようだし、息もしてるから、大丈夫だろう‥‥」
とロンは言うと、天井に向かって、
「二人分のパンとコーヒーが欲しい」
まもなく丸テーブル上に、パンの載った皿とコーヒーの入ったカップが、それぞれ現れた。
「やっぱり美味そうだ‥‥」と、二人は食べ始めた。
トムが、倒れてる男に視線をやり、
「しかし、何人集める気なのかな……?」
「そんなこと分からないけど……次回は女性がいいかも‥‥」
と笑い、トムも笑った。
その若い男は、二人と同じようにカジュアルな服装だった。
トムは、コーヒーを一口飲んで、
「さーて、この男だけど‥‥。ずっとこのままなら、どうする?」
ロンも、コーヒーを飲んで、
「どうするったって、とにかく待つしか‥‥」
すると若い男が、
「あー‥‥うーん‥‥。あれ? ゼミに‥‥」
トムがそれを見て、
「その必要は、いらないようだね‥‥」
若い男は、不思議そうに起き上がると、呆然と二人を見た。
なかなかのハンサムで、スポーツマンカットだった。
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