ヘンテコ・ハウス

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 それは実に変わった天井で、やたら階段が雑然と在るのだ。が、その全てが3メートル以上の頭上に在るため、誰も利用できないのだった。 「だから誰も、この家から出られないのさ」  ロンは苦笑した。 「そうですか……。あんなに階段が在るのに……。ボクもコーヒーとパンをもらえますか?」 「その前に、俺たちの名前を教えよう」  ロンたちが言い終えると、若い男が、 「ボクはナオです」 「じゃナオ、天井に向かって言ってみろ」  ナオは、怪訝(けげん)な顔をしながら、奇妙な吹き抜けのような天井に向かって、 「パンとコーヒーがほしいです」  すると目の前の丸テーブルに、サッと1セット現れた。  そして、すぐ近くに椅子も現れた。  それはロンとトムに対して、真向かいの位置だった。 「えっ、なんですか? これ」  苦笑しながらロンが、 「まぁ座って、ゆっくり食べろ。大丈夫。味も保証するよ」 「はい‥‥」  ナオは不思議そうに座ると、パンとコーヒーを口にして、 「あっ、ホントに美味いですねー! ちょうど空腹だったんで‥‥」
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