噛み合わない

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そしてやっと目的地に着く。 『ふぅ…なんで…いつもいつも』 そう言って瓶を探す。 『あ…流れていく』 待ちきれず、脱げるところは脱いで刀を置いて海の中へ入る。 『もう少し…わっ』 気がつけば、足が届かないところまで来ていた。 必死に溺れながらも陸へ戻る。 『はぁはぁ…三途の川が見えた気がする』 それでも腕には瓶を持っていた。 息を整えて中身を見る。 『ありがとうございます。ちゃんと届きました』 海の向こうにいるあなたを思い浮かべてお礼を言う。 帰って驚かれ、逃げた人には正座して説教を受けることになった。
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