二章

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「………すまない」 爺ちゃんが、作業している手を止める。 振り返る事は無かったから、表情までは分からなかったけど、その背中は何だか寂しそうだった。 爺ちゃんの背中って、あんなに小さかったっけ。 思えば、頭の炎も大分弱々しくなっている気がする。 「外は、危ないんだ。私は、ダリアが無事で居てくれるならそれで良い。お前だけが、私の支えなんだ。…だから、すまない。今は、それしか言えないけど、時が来たら、必ず説明する」 荒くなった呼吸を整えながら、爺ちゃんの小さい背中を見詰める。 「……分かった。私も、言い過ぎちゃってごめん。でも、ご飯はちゃんと食べてよね。爺ちゃんが居なくなったら、私、一人になっちゃうんだから」 ああ、と呟いて、爺ちゃんがまた作業を始めた。 そのまま倉庫を後にしようとした所で、ある事を思い出した私は声を上げる。 「あ、そういえば、また黒い汚れが拡がってたの。そのせいか、手の皮膚がボロボロ崩れちゃって、、村の子に保湿剤みたいなの貰ったんだけど、効果あるかな」 「……………なんだって」 今度は、爺ちゃんが私の方に振り返る。 その表情は、何かに怯えるように強ばっていた。 「だから、手が」 「見せてみなさい」 駆け寄ってきた爺ちゃんが、手袋を外して私の手を取る。
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