とんでもない貧乏クジ

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 すると横のエルが、 「地球産の梅干しは高くて、中々手に入らないです。しかも、手作りは大量生産出来ないので希少です」 「そうなのぉ?こんなん、地球の実家に山程あるよ。何なら50年物とか100年物もあったかな?」 と言えば。 「100年物!!」 とダイゴさんが叫んだ。そして、 「済まない、取り乱した」  とオリンさんを見た。 オリンさんは震えていた。 真っ赤な顔でまるで赤鬼だった・・・失礼。  するとダイゴさんが、 「君の実家には梅干しが大量にあるんだね。 どのくらいある、1トンか?10トンか?」 「ええ〜、まさか。10キロあるかな。 そんなもんです」 「正に!赤いダイヤだな。よし何も言うな。 梅干し10キロに対して、マーキュリーナイト10トンでどうだ?」 「はっ?」 「この強突張りめ!、100トンだ。 但し100年物も持ってこい」 「はぁ〜」 「分かっておる。直ぐには無理だから。 う~ん、太陽系連邦の採掘場を作れ。 環境に配慮してな」 と言うと。エルが、 「勿論です。やりましたね、ミトさん!」 と俺に握手を求めた。  俺はキョトンとしたが、何とか交渉が成立したかと分かったので喜んで。何だかんだと梅干しの話で盛り上がり。納豆もあるといえば。 又もや目を丸くして。 「どこまで、私から奪うつもりだ」 と笑って。始終賑やかな食事を済ませた。  まさか梅干しが、俺にとって切り札になるとは。年寄りは大事にするもんだな。 やっぱ旅行には梅干しを持参しましょうか? あはは。 帰りに金星で、金細工でもバァちゃんに買って帰るか、と思った。 おしまい。
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