とんでもない貧乏クジ

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とんでもない貧乏クジ

 まったく・・・とんでもない貧乏クジだよ。  俺の名はミト、太陽系連邦の連邦治安保障局員だ。連邦の前身、太陽系連合が出来て100年。紛争やら独立運動を経て、今や全ての惑星や衛星に人が植民地として暮らしている。  必要にかられて最初に連合組織が出来た。 連合は太陽系の治安維持と、全ての星が1つとなる為の組織だったが、上手くゆかず。 後に出来たのが太陽系連邦だ。  その目的は、各惑星の自治を認めながら、 1つの大きな国家的なものへとの変貌であった。そして、その先には銀河へ!と言う大前提!大きな目標があったのだ。 だから太陽系内で揉めたり、足を引っ張りあったりは、やってられないと言う、高尚なる思想の元に作られたのが、太陽系連邦治安保障局と言う訳だ。  大した仕事も無いのかと思えば。テロや暴動よりも厄介な奴が残っていた。 俺は今から、そいつの所へ行くところだ。  水星、その星をほぼ一人で独占している、 人呼んで水星皇帝の居る所へとだ。  意外な程、あっさりと着陸は許可された。 以前は噂によるとだが、ミサイルを撃ってきたり、ビーム砲の歓迎なんてのもあったらしいが。その度に太陽系パトロール(警察)が介入して。その行為に対して損害賠償を請求されるので、今は静かなものだと言われていた。  尤も、その法外な金額の賠償金を、簡単に払える程の金持ちではあったのだが。    何故なら、この水星には宇宙旅行に欠かせない、マーキュリーナイトと言う新元素が、唯一有る星だからだ。新元素と言っても、100年前に見付かったもので。 研究の成果で、高出力のイオンロケットエンジンの燃料として使える事が分かったのだ。  だから、このマーキュリーナイトを独占している、この星の帝王は、正に宇宙開発の鍵を握る男であった。
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