黒にハマる

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 そう、久隆はいつものほんわかした雰囲気が全くない、いわば「俺様」的な態度。  いつもの優しい久隆も大好きだけど、久隆に翻弄されるのが私はどうやら嬉しいらしい。  それがギャップ萌えというもので正しいのかわからないけど、自分のそんな一面を初めて知って驚いた。  ストレスが溜まっていたのかな…。  実際、久隆と暮らし始めて生活に潤いが出来て、正しい食生活のおかげか次の日に疲れを残すことなく、仕事もより(はかど)るようになった。  そして何より、久隆と一緒にいると心が癒されて、触れていると身体が癒されて……寝かせてもらえなかった次の朝でも、めちゃくちゃ元気な私なんだよね。  生きる栄養剤?  一緒に暮らし始めたこの1ヶ月、疲れというものを知りません。  もう、久隆なしでは生きていけない。  どっぷり久隆にハマっている。  最後に彼氏がいたのは高校生の頃。  専門学校を卒業して以来ずっと仕事に生きてきたから、彼氏なんて作る暇が無かった。  そんな私の前に急に現れた久隆。  まるで妖怪「ぬらりひょん」のように、私の生活に入り込んでいた。
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