愛のかたち

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 私は先輩を愛してる。あの女共よりもずっと。今はまだ先輩に彼女がいる、なんて噂は聞かないけれど、いつ悪い虫に誑かされてしまうかも分からない。誰かが先輩を守らなくちゃ。誰が守るか、私しかいない。先輩を一番愛してる私しか――。  その日の授業中は何をすべきかで頭が一杯だった。悪い虫から守るための作戦を練る。今までは校内で先輩を追いかけていたけど、これからは校外でも追う必要がある。これはストーキングなんて不純なものではない。先輩を守るための、正義の行いだ。  放課後、私は校門付近で時間を潰していた。  来た!  スクールバックを肩に掛けた先輩が校門から出て来た。私はスマホをいじっているフリをして先輩が離れて行くのを待った。  バレないように距離を保ちつつ、先輩の背中を追った。幸い今日は一人で下校するみたいだ。  私は先輩を食い入るように見つめながら、胸の高鳴りを抑えきれずにいた。先輩はどんな家に住んでいるんだろう。もしかすると、私と同じ独り暮らしかもしれない。毎日先輩の家の周りを彷徨けば、私服姿を拝めるだろうか。無限に妄想が広がる。自分の顔が紅潮するのが分かった。
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