第一章 ゼロから始まるフラダンス部

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入学式は進み、新入生代表の挨拶となった。こう言うのに選ばれる人って成績が良いのだろう。私なんか縁の無い話だ。 壇上に向かうのは女子生徒。あの小柄で小動物っぽい子だった。良く見えないけど足が震えてない?大丈夫なのかアレ? 『し、新入生代表、花守小月(はなもりさつき)。は、春の陽気が心地よいこの良き日に歴史ある聖海高校に入、入ぎゃくっ!ひえっ違っ!入学できたこちょっ!あうっ!ごめんなさい!』 噛みまくりだ……良くもまぁ代表に選ばれたものだ……。 ほんの数分の挨拶だが、花守さんには長い時間だったかも知れない。それでも彼女は噛みながら最後まで代表の役割を果たした。立派だよ花守なんとかさん! 『次は部活紹介の──』 部活紹介きた!フラダンス部、フラダンス部!はよ! 『野球部キャプテン渡部ッス!』 野球部はいいから早くフラダンス部をと、待ち望む私の脳内にはフラガールズ甲子園の興奮が甦る。おかげでその他の部活紹介の内容は全く覚えてない。ごめんなさい先輩方。 『以上で部活紹介を終わります。続きまして──』 あ?終わり?ちょっと待って?フラダンス部は?私のフラガールズ甲子園は?!どうなってんの!?
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