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「これ、ゴートゥーマイホームっていうんですか?」
タイトルは知らなかったが、どこか懐かしい。そう感じた。
「知らないんですか?」
「ええ、全く」
「そんなはずはないんだけどなぁ……」
言いながら老人も女性もゴートゥーマイホームを口ずさみ始めた。
しかし歌詞を聞きながらも思い出すことができない。
そんなに有名な曲なのだろうか。
すると、老人の隣でずっと黙っていた少女までもが歌いだした。
「ゴートゥーマイホーム、ゴートゥーマイホーム」
「そんなに有名なんですね。誰の曲なんです?」
男の言葉に老人が不思議そうに見つめる。
「本当にわからないんですか?」
「え、ええ……」
「この曲はわたし達が作ったんですよ」
「………」
次の瞬間、男は意識が一気に遠のいていった。
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