万人受けよりも

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万人受けよりも

 最近、学生時代に小説を書いていたことがある、という友達と創作について話す機会があったんですけど、その時の友達の言葉で少し気になるものがあったんです。  「まあ、万人受けするのが一番だよ」  と友達は言っていました。  確かに多くの人間に受け入れられる作品を生み出すことは、良いことです。  でもことが何よりも大切か。それだけを指針に書いた作品が一級品になるか、と問われたら、私はそれは違うと答えます。  万人の感性に寄り添って、できるだけ多くの人間の共感が得られるように作品を作るのでは——他人の価値観に依存して創作をするのでは、限界があると思うのです。  そのやり方では、極まった作品は作れないと。どこかで頭打ちになるだろう、と。  本当に素晴らしいものを作りたいのなら、まずはが作品を通して人や世間に訴えかけたいことは何なのか。それを模索していく作業が不可欠になると思います。  そうして見えてきた自身の中にあるぶっとい思想を、どのような表現にすれば他人に伝えられるか。それを考える作業が作品作りなんだと思っています。  私は万人受けすることを目的にするのではなく、自分が伝えたいことを、最高の形で万人に届けられるように頑張っていきます。
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