21人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ
万人受けよりも
最近、学生時代に小説を書いていたことがある、という友達と創作について話す機会があったんですけど、その時の友達の言葉で少し気になるものがあったんです。
「まあ、万人受けするのが一番だよ」
と友達は言っていました。
確かに多くの人間に受け入れられる作品を生み出すことは、良いことです。
でもウケることが何よりも大切か。それだけを指針に書いた作品が一級品になるか、と問われたら、私はそれは違うと答えます。
万人の感性に寄り添って、できるだけ多くの人間の共感が得られるように作品を作るのでは——他人の価値観に依存して創作をするのでは、限界があると思うのです。
そのやり方では、極まった作品は作れないと。どこかで頭打ちになるだろう、と。
本当に素晴らしいものを作りたいのなら、まずは自分が作品を通して人や世間に訴えかけたいことは何なのか。それを模索していく作業が不可欠になると思います。
そうして見えてきた自身の中にあるぶっとい思想を、どのような表現にすれば他人に伝えられるか。それを考える作業が作品作りなんだと思っています。
私は万人受けすることを目的にするのではなく、自分が伝えたいことを、最高の形で万人に届けられるように頑張っていきます。
最初のコメントを投稿しよう!