ボッチくんの恋…この気持ち、なんだろう?

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気温がどんどん高くなって ドクダミさん達は ワサワサと僕をとり囲み パカパカと白い、単純な花を開き出した。 ドクダミさんは背も低いし 花も小さいから ツルバラさんみたいにぱあっと散ったりしないで 雨でも風でも咲いている。 そして雨が上がると ドクダミさんだけじゃなく ヤブカラシくんも オレンジ色のポピーさんも 一層元気に花や葉っぱを広げた。 聞いたよー ボッチくん、なかなかやるね ドクダミさん達があまりにワサワサとするので 僕はくすぐったくて身を捩った。 (捩れてないけど) ボッチくん、このモテ男! ツルバラさんとデートしたんだって? ヤブカラシくんが ツルの先っぽで僕の頭を撫でた。 え、デート? アレが? ツルバラさんが張り付いてた胸の辺りがキュンとした。 ドクダミさんやポピーさんは 今日はやたら僕をくすぐってくる。  ぼく、ボッチくん。 寂しそうだねってたまに言われる。 でも、ぼくの周りは、わりと愛に溢れてる。 完
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