ボッチくんの恋…この気持ち、なんだろう?

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そりゃ、恋だね ドクダミさんは声を揃えて言った。 (ドクダミさんはいっぱいいるけど 根っこが一つで みんなで1人なんだって) ボッチくん、あの子に惚れちゃったのよ 恋? 惚れた? ここにきて15年、そんなこと初めてだった。 アレはツルバラっていう子で 表の庭にずっと昔から住んでるの。 とにかくお日様が大好きなんで 今年みたいな気候だと やりたい放題伸びてきて咲きまくるのよ 悪い子じゃないけど 遠慮ってもんを知らないね 一旦咲けば歌ったり踊ったり うるさいくらい賑やかな子だよ へえ!じゃあ ここにも伸びてくるの? ぼくは身を縮め(縮まらないが) 石のハートにヒビが入るほど ドキドキして訊いた。 それは、ない。 この裏庭は完全な日影でしょ? あの子は日向でしか咲けないのよ ふううん… ぼくは ガッカリするのとホッとするのが ちょうど半々の気持ちになって 黙った。 すると ドクダミさんもしばらく黙ったが 唐突に言った。 一か八か ワタシ、気持ち伝えてあげようか?
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