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毎年7月になると、僕は彼女のことを思い出す。
あれは確か2017年の夏だった。
2017年、もう6年も前のことだ。
僕はそのころ、まだ19歳だった。
高校を卒業したあとで、大学には進学せず、かといって就職するわけでもなく、住み込みのアルバイトを転々として生活していた。
いろんなところに行ったし、いろんな人に会った。実に暑い夏だった。
☆
彼女と会ったとき、僕は海の近くの古旅館で働いていた。
仕事の内容は主に客室の掃除で、たまにフロントで受付業務をすることもあったし、調理補助をすることもあったけれど、それはごく稀だ。
この古旅館は (客として行ったことがないから客目線では分からないが)少なくとも バイト先としてはとても魅力的だった。
施設内の温泉を利用出来るし、まかないでは地元特産の海産物を味わえる。それに客室をそのまま寮として使用することが出来た。
☆
休憩時間にビーチに行った時、彼女はそこに居た。
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