チェキ会

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2冊で4千円。 毎月の小遣い、佳奈はいくら貰ってるのか知らないが、俺は5千円だ。 ゲームを買うなどのまとまった出費のために、お年玉や小遣いの残りを貯めてはいるけれど、正直、5分の4の出費は痛い。しかも、まだ月初だし。 俺が黙ってしまったので、佳奈が慌てたように言った。 「翔ちゃんは買わなくていいんだよ、今日は付き添いなんだし」 「いや、でもせっかくここまで来たんだから、俺もチェキ撮りたいよ」 「そうなの? 無理しなくていいんだけど。チェキ撮る時、翔ちゃんが恥ずかしくないんならいいけど」 「佳奈はお金持ちなんだな」 「は? 急に何言い出すの」 「中学生の頃からオタ活やってたじゃん。こういうイベントに参加したり、舞台を観に行ったりしてたんだよね? よく金が続いたなって思ってさ」 「ちょ、変な想像しないでよ! ウチはね、おばあちゃんがお金出してくれるの。若いうちじゃないと楽しめないでしょって。いずれ私が、おばあちゃんの面倒見る予定だし、今は甘えておこうってことなの」 佳奈は照れくさそうに笑った。
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