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俺は結局4千円払って、参加券を貰った。
これで、大樹くんが写真集を直接渡してくれ、ツーショット写真も撮ってくれるらしい。
「破格のサービスだよね。まだデビューしたばっかだしね。今日来てよかったあ」
「新◯と迷ったけど、ギリ入れてよかったね」
俺の後ろで並んでいる女子たちが、そんなことを喋っている。俺は佳奈に尋ねた。
「新◯でもチェキ会あるの?」
「他の人のだよ、今日早く来たからよかったけど、ここ割とすぐ締切になったもん。人気あるんだよー! 大樹くん」
佳奈はやや興奮状態にある。
そうこうするうちに、俺たちの番が回ってきた。
白い天板の事務机に積み上げられた写真集。
机を隔てた場所には、キラキラ輝く男性がいる。
「応援してます! あの、写真撮る時ハートお願いできますか?」
「もちろん、いいですよー。えっと、お名前は?」
佳奈と話している大樹くんは、終始微笑んでいる。
「佳奈です、初めて舞台見た時から大樹くんのファンです」
「ありがとう! ねぇ、後ろにいるのは佳奈ちゃんの彼氏?」
「あっ、いいえ違います。友達です。今日はボディガードとして来てくれたんですけど、どうやら大樹くんのガチファンになったみたいです」
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