チェキ会

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あっ、おい! 恥ずかしいから、そんなこと言うのやめてくれよ……。俺は心の中で佳奈に言う。 佳奈が写真を撮って、俺の番が来たけれど、恥ずかしくて顔を上げられない。 「こんにちは。翔太くんって呼んでいい?」 佳奈が言ったのだろう、親しげに名前で呼んでくれる大樹くんには申し訳ないけど、まともに彼の顔を見れない。 「今日はありがとう。男性ファンが来てくれるのって、本当に嬉しいんだ。よかったら、これからも応援よろしくお願いします」 大樹くんは、頭まで下げてくれた。そのあと一緒に写真を撮ったけど、その瞬間のことは何も覚えていない。173センチの俺より背が高くて、いい匂いがする……。 夢見心地って、こういうのをいうのかな。 しかし、変だよなあ。 普通なら、A◯Bみたいな女性アイドルとの握手会に参加するべきところを、何故か俺は男性俳優とのチェキ会に参加しているなんて。 「それも運命なのよ」 「運命?」 「必然なのかも」 佳奈にしたり顔で言われ、何を言ってるのか意味がわからない俺は「ハハハ」と、力なく笑った。
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