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「だから、今日、お前達の学年でスケッチ中に外気にしてる男子がいて、何見てるのかと思ったら、山城を見てたんだよ」
「それ、本当に山城だったんですか」
「本当だって。風で飛ばされてきたゴミ袋、拾いに走ってただろ」
確認された山城は、意外にも肯定した。
「だろ。だから、彼女持ちは羨ましいってからかったら、彼女じゃないって言うから、じゃあ、残念だったなって教えてやたんだよ」
「え? なんでそこで、残念につながるんですか」
「だって、山城、彼氏持ちだろ」
この瞬間、全員が思った。
犯人はこいつだ、と。
「いや、でも、なんで先生がそんな誤解するわけ?」
北見の疑問はもっともだ。
「誤解なのか? つい最近、忘れそうになってたスマホの待ち受けがラブラブスナップだたろ?」
「……原因はそれか」
「ねえ、北ちゃん。来年はこの企画、絶対にやめよう」
「うん、絶対にね」
こうして1人の女の子を何度も泣かせた騒動は、静かに幕を引いた。
「え、何、どういうこと?」
1人の教師の困惑を除いて。
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