0人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「 なかなか条件が厳しいね。
そこまでの店なら、もう、この界隈では知られてるんじゃない?」
斗真はいつも冷静で的確だ。
「 そうなのよ。
単なるクソバカハゲ部長の意地悪なのよ。だからこそ、逆に負けられないというか…。」
「 真理子ちゃんだね、そういうとこ。
でも、俺が知ってる店は真理子ちゃんも知ってるだろうからなぁ。」
「 ねぇねぇねぇ、静流さんの店は?あそこなら、さっき真理子ちゃんがあげた条件にあてはまるんじゃ?」
薫が名案を思いついた子どものような得意顔でそう言った。
「 静流さん?」
「 うん、よくね仕事前に食事に来てくれるんだけど、びっくりするくらい綺麗な人なの。
凛としてて、所作も美しくてね。
で、その人が超レアな会員制のカフェバーをやってるの。」
「 へぇ、会員制のカフェバー。
いいかもしれない。
なんて名前の店?」
「 確か、『静海』《しずかのうみ》』だったかな?」
なるほど、月の海のことね。いいセンスだ。
行ってみたくなる名前をしてる。
早速、スマホで検索してみるが…
「 だめだ、出てこないわ。
なるほど、徹底してるんだね。」
「 VIP専用の会員制の店って言ってたからね。
真理子ちゃんがもし興味あるなら、お繋ぎしてもいいよ。
受けてくれるかどうかはわからないけど。」
斗真がいうなら60%くらいは可能性ありそうだ。
これが薫だけなら20%くらいだけど…。
最初のコメントを投稿しよう!