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エピローグ
「はあ…」
朝から何度目かのため息が聞こえてくる。
隣を歩く人の足取りはとても重そうだ。
この優しくて、あったかい人は、未だに仲間の喪失を受け入れずにいる。
誰のせいでもない。けれどもこの人は自責の念から解放されずにいる。
昔の仲間との再会の日は必ず暗く沈み、溜め息が聞こえてくる。
けれども私は知っている。私が人生に失望して居た時、あなたは大切な故郷を失った後だったのに、誰かの役に立ちたいと明るく生きていた。そして私を救ってくれた。あなたは優しくて強い人。今は少し疲れてるだけ。
それでも私を見つめる瞳は、今も一切の偽りなく私を安心させてくれる。自分がどんなに辛い状況でも、纏うあったかいものは消えることがない。
この幸せな日々が、こんなに続いてくれるとは思っていなかった。この言葉では表せない感謝をどう伝えよう。私はこの人に何をあげられるだろう。
こんな色の瞳を通して見える物を、あなたはとても嬉しそうに幸せそうに聞いてくれる。
こんな色の瞳をしてる私の笑顔を見て、あなたは沈んだ気持ちを明るくしてくれる。
あなたが望むなら、目に見える全ての物を伝えるわ
あなたが元気になるなら、あなたと居る全ての時間を笑顔で過ごすわ
だから、どうかこの幸せな時が続きますように
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