―戦い―

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―――――え?     一瞬頭真っ白になった。 パニック状態。   赤ちゃんの心拍数が低下って…。   何で? 赤ちゃん死ぬん? 一気に涙がボロボロ出てきた。     ここまで頑張ってきたのに…赤ちゃんに何が起きてるん。   すぐここに赤ちゃん居てるのに何もできへん。 ごめんな…本間にごめんな…。 苦しいよな…。     悲しいとかじゃなくて悔しかった―。 すっごい自分を責めた―。居心地良いはずのママのお腹が今は苦しがってるって―。     涙が止まれへんかって横見たら裕時が手握りながら 『産むって二人で決めて頑張ってきたやん。頑張ろぅ。赤ちゃんもきっと頑張ってるから。』         この言葉にどれだけ救われたか―。 裕時の存在にどれだけ救われたか―。     それからまた時間だけが流れていったけど陣痛が来てる間は赤ちゃんの心拍数は下がってた。     陣痛で体は痛いし頭の中は不安で押し潰されそうで。      お母さんが『未来、早めに帝王切開で出してあげた方がいいかもよ。心拍数が140~160まであるのが普通やのに60まで落ちてるやん。赤ちゃんがサイン出してるんかもせぇへんで。』
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