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*これは水平思考ゲームに近いものになります。小説ではなく、推理になるので、ご了承下さい。
私の目の前に、今、2本の別れ道がある。
これだけ話されても、状況が分からないだろう。だから、きちんと説明する。
ここは平凡な砂利道だ。人が普段から通っているような場所ではない。歩きづらく、碌な整備もされていない。その為、自転車では通れっこないだろう。車でもパンクする可能性がある。
次に、周りの景色だが…何もない、というのが答えだ。熱風が吹くたびに、びゅーびゅーと砂埃が舞ってはいるが、人はもちろん、動物の影ひとつも見えない。砂漠、というのが近いだろうか。その広大さは、私を飲み込むには十分な大きさである。
そして、2本の分かれ道について。その分かれ道の中間には、長い時を過ごしてきたであろう立て看板が、倒れていた。起き上がらせて、そこに何が書いてあるかと目を凝らしてみれば、微かな筆跡は残るものの、読めない。つまり、この看板に意味はないと言えよう。
分かれ道の左側には、道と言えるようなものはない。つまり、砂、である。右側には、通ってきた道よりも少ない量の砂利道が続いている。…砂利、私と同じような考えの人が居たのだろう。
さて、ここまで想像して、今この場所が異様である事に気付いただろうか。砂漠と言っているのに砂利道?と。更に前方も砂利道があるというし、片方は意味の無い砂。それを指し示す看板がここに立っているのも謎といえよう。
そして、次に私が何者なのか?を考えようとする。何、私の正体を明かしても、君たちの推理には一ミリたりとも意味のない。だが、鍵としての役には立たないが、気になると踏んで、言おう。
私はしがない旅人だ。よくある、世界一周旅行をしている。
ここが安全なら、安全と言ったことを知らせる何かが必要である、と言った旅人の暗黙のルールがある。そんな世界で私は取り敢えず生きている。
さて、話を戻すとして。十分な用意をしたつもりだったが、足りなそうである。今手に持っているのは、私の頭から腰ほどまでのかなり大きい透明な袋。『これ』は、まだ半分ほどの中身がある…。だが、『これ』が尽きたら私のこの砂漠の旅は終わりを告げるだろう。道に迷ってもしまうし…それに安全だと伝えられない。
後は、バッグだ。ペットボトルに入った水とパンと。色々と旅をする私は、マフラー、手袋、それからカイロ。といった今は必要ないものもある。……パンやカイロに関しては、『これ』の代わりとして使えるかも知れない。
私の今の格好は半袖にサファリハット、長ズボンである。
さて、ここまでで紹介は終わりにする。最後に問題を出すとしよう。
Q私は右と左、どちらの道に行くべきだろうか?その理由は?
これだけで解くのは流石に難しいので、
次のページに、ヒント(質疑応答)が設けられています。
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