やさぐれポンポン

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「おいクソダヌキ、何でテメェが居んだよ」 「おうクズギツネ、こっちのセリフだバカヤロー」  軟テサークルを辞めて、まぁそれならと所属した動物科学サークル。動物実験棟の見学などが出来るそうで、何か大学っぽくていいなぁと入ってみたのだが、 「すぐ辞めろ。ストーカーかよ」 「テメェが辞めろ。ヤンキーだからニャンコ大好きか?キャライメージ守りすぎだボケ」 どつやらそれは実績作りのためで、メインはサークル費で動物園や水族館に遊びに行く事だそうだ。  そのための生贄として毎年一人、動物実験棟に捧げられて見学レポートを書かされる。臭くてグロいから何としてでも新人を確保したいらしい。多方面に極めて失礼な本音である。まあそのお陰で、軟テサークルで問題を起こしたオレ達でも入れたのだろうが。  おそらくヤンキーはそのまま囲い込まれて、オレはレポート出したら放置だろうな。まさに生贄。  上等だバカヤロー。  お気付きだろうがオレはかなり面倒臭いタイプの劣等生。幼少時からタヌキだのモグラだの散々馬鹿にされ、芯から捻くれ曲がったクソ雑魚ナメクジである。  レポート?もちろん出してやろうじゃないか。  キツネ女が先輩達と遊び回る中、オレは一人、ひたすら動物実験棟に入り浸ってやったのだ。
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