フェンスを越えて(過去ログ)

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「可愛いね〜、何、OKするの。」 告白の一連を見ていたらしいサークル仲間の美穂が聞いてきた 「いや、それはない こっちが年上で 最低でも4歳は離れてるわけでしょ 恋愛対象としてはナイわ」 「年下、可愛いじゃん、イケメンだし、 付き合っちゃえば? 就活もおわったし、あの遠距離の彼、先輩? 自然消滅とか言ってたじゃない」 沙夜には、サークルの先輩で 1学年上の林田竜一という彼氏がいた 竜一が卒業するまでの2年間付き合ってきたが、去年実家のある仙台に戻って地元企業に就職したため、沙夜とは遠距離恋愛になっていた 「地元就職した時点で、もう終わってんだよね」 そう理解した沙夜は、それでも、遠距離が始まった直後は比較的マメにメッセージアプリで連絡をとっていた しかし徐々に送信する回数が少なくなり、相手からも既読にはなるものの、返信が来なかったりするうちに半年が経とうとしていた 「(地元で彼女でもできたのかな?)」 沙夜は自分から連絡を取るのを止めた 不思議と悲しみはなかった 沙夜は恋愛に関しては少し冷めているところがあり、自分が熱を上げ告白した後、逆に相手が沙夜に夢中になる頃にはピークが過ぎていることがよくあった 特に理想が高いと言うわけでもないが、沙夜の両親は、お世辞にも仲が良いとは言えない夫婦であり、そんな二人の日常を見ていると、結婚に対しての夢も持てなくなっていた 「(一生独身ってのも、今どきはアリだよね)」 そんな風に考えたりもした
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