と.も.だ.ち

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と.も.だ.ち

進学先が決まったとはいえ、まだ彼は高校生 お友達スタートは良いとして、万一その先に進んで行ったとしても節度あるお付き合い… 教職の単位を取るには、実地訓練、教育実習が必要だが、沙夜のいる大学から附属高には 毎年決して少なくない人数の学生が 実習生として赴く 履修後、友人らは口々に厳しかったと言い、 何が厳しかったかと言うと、 授業の内容はもとより学生らとの関係、 特に距離感については、 口うるさく指導されるのだと言う 私的な会話は禁止、授業以外での接点を持たないなど、守らなければ当然のごとく 単位はもらえないという話だ 教育実習独特のルールかもしれないが、それでもあまり都合よく考えない方が良いのだろう 思いの外、楽しい下校タイムを過ごした沙夜は、 卒論を提出したら時間が出来るから、 と彗に伝え、 時間が合う時は駅まで一緒に帰ってお茶をする という関係を続けていた 道すがら色々話してみると、お互い最寄り駅が同じ地下鉄路線であり、駅は3つ違いなだけだった それまで自転車で通学する事も多かった彗だが 沙夜の事もあって、電車通学をメインにした そんな沙夜の姿は、 一部の「沙夜推し」界隈で ちょっとした騒ぎになっていた 付き合っていた年上の彼と 別れた事は知れ渡っていたが、 その後特定の彼氏を作らなかった沙夜が いつも同じ男といる そいつと親しげに話している 相手は附属の高校生らしい しかも公開告白だったらしい…! 噂は瞬く間に広がり、彼女の横に立つことを妄想していた沙夜ファンは、深い悲哀のため息をついた 一方で、彗の周りでは、告白に成功した彗を 羨望の目で見る同級生も多く、 「三浦チャレンジ」 と称して、 学食で女子大生に声をかけるという 意外と 真剣(マジ) なゲームがいっ時流行ったりしていた
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