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彗には相当意外な 言葉だったらしく、目を丸くして聞き返す
沙夜は
「2度は言わない」
彗は、がっかりしたように前を向いたが、すぐに嬉しそうな表情になり
「夢じゃねーよな」
と独り言のように呟いた
「好き」と沙夜が言ったのは嘘ではない
最初こそ弟が出来たみたいな、
可愛い子犬、という感覚で見ていたが、
度々一緒に帰って話を重ねるうちに
しっかりした子、けっこう男の子
に変わり、一緒にいて
彗が心底楽しそうにしているのを見ると
沙夜も素直に嬉しかった
「(付き合ってみてもいいかな)」
そんな時、(私服姿も萌え)彗から突然キスされ、迎えに来てくれたこともあって、
お返しをしたくなってしまった
お返しは何が良いのか、考えるより先に体が反応してしまった
「(やーね、こないだゼミで教授が言ってたフェテシズム…まるで私が男の人の感覚になってんじゃない)」
沙夜はそんな自分に軽くショックを受けながらも繋いだ手を離せないでいた
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