こ.い.び.と 〜side 彗

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自分でもわりとモテる方だと思う 小中高と、自分からと言うよりは 女子から告白される事のが多かった だから付き合ってキス… も、あるにはあったが、それ以上に進むのはなんか面倒な気がして、相手には申し訳ないが、そこまでの熱量…というか、明らかにその時々に付き合ってた子との間の恋愛観に温度差があり、 (相手は俺からのもっと積極的な行動を望んでいたように思う) 結局こっちがそれを埋められないまま 終焉を迎える ガキである俺の女の子との付き合いは、 そんなことの繰り返しだった そこへもってきて、 兄貴らが家へ連れて来る彼女とやら、 皆スタイルも顔も(ハイ)スペックな 大人の女性ばかりで、 俺も自然と理想が高くなる 同学年レベルでは、物足りない しかし、今回は 沙夜は違う 色んなモヤモヤを抑えながら 沙夜を家まで送る 沙夜の家はマンションで11階にあると言う 入り口がオートロックだったので、エントランスで見送る事にした 別れ際に、周りに誰もいないのを良い事に も一度俺からキスし、 (防犯カメラは関係ないので、少しだけ長めに) 沙夜が手を振ってエレベーターに乗るのを確認すると、文字通り小躍りで駅に向かう 終電の一つ前に乗り、自宅に帰ると母が 「なんか食べるの?」 と聞いてきた そういや、なんも食ってない しかし、今夜の事で胸はいっぱいだ 「おにぎり」 とだけ言うと、 どうやら察しよく用意していたらしい おにぎりの乗った皿を ダイニングテーブルに置きながら、 「食べ終わったら流しに置いとけば良いから」 と言い、そのあともクリスマスがどーの言ってたけど、内容は頭に入らなかった 鮭のおにぎりを食べながら、 色っぽい沙夜の事を思い出していた
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