569人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
乙子月(クリスマス)
卒論も提出し、就職先も決まった沙夜は大学生活のラストを謳歌したいと思っていた
卒業旅行は、3月に入ってから、サークル仲間とヨーロッパに行く事にしているので、良いとして去年まで竜一と過ごしていたクリスマス…
今年はどうなのかな
竜一は、付き合って1年目は、新宿のハイブランドホテルを予約してくれて、夜景を見ながらのクリスマス、それはそれで素敵だった
去年は、札幌に泊まりがけで
雪を見に行っていた
蟹すきを食べて、日本酒を飲んで…
翌日には、大通にあるサンドイッチの美味しいお店でこれまたタラバガニサンドを注文し
濃いめのコーヒーと一緒に食べて大満足だった
えっと、彗は未成年だから、お酒はまずNG
プレゼント買って、どこかイタリアンのお店でピザかパスタを食べながら…
一緒にご飯を食べたことないけど、高校生の男の子っていっぱい食べるんだろうな
などと考えていると、メッセージアプリに彗からメッセージが届いた
「クリスマス、予定ある?」
沙夜が
「特に予定ないよ、どこか遊びに行く?」
と返すと
「ウチに来ない?」
と返してきた
男ばかり3人の家で、
クリスマスはそれぞれ彼女やら友達やらと
遊びに行ってしまい、
父親は単身赴任中
毎年、母1人でつまらなそうなので、今年は
沙夜も紹介したいし、少しだけでも寄らないか、と言うことだった
「(そうだよね、この間も遅い時間に帰しちゃって、どこの馬の骨ともわからない悪い女と付き合ってると思われるのも本意じゃないし、ご挨拶しておいた方がいいかも)」
そう思った沙夜は
「OK、お邪魔します、手土産は何がいい?」
と、返信した
最初のコメントを投稿しよう!