乙子月(クリスマス)

4/4

569人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
「とりあえず、手洗って唐揚げ食べる?」 と彗に言われ 「せっかくだし、いただこうかな」 テーブルには、唐揚げだけかと思いきや、サラダや、ちょっとしたオードブル的なものもあって、沙夜たちのために用意してくれていた事がわかる メインの山盛りの唐揚げは、食べるとどれも鶏肉がふっくらジューシーで美味しかった 「お母様、お料理上手」 彗はピザの予約をしていてくれて、ちょうどデリバリーが来たのでそれも食べた 更にはお酒ではなく、 ノンアルコールのシャンメリー 「おいしかった、お腹いっぱい」 沙夜が言うと 「そうか?沙夜はやっぱケーキ欲しかった?」 「ケーキも好きだけど、どちらかと言うとおせんべいが好き」 「ババ(クサ)」 と言って笑われた 「あら、彗がお子ちゃまだから、ワインじゃなくシャンメリーなんでしょ」 と沙夜がやり返す 「お母様、若くて美人だよね」 「そおか?単なる若作りだろ、それに…」 と言うと少し照れたように 「俺にとっての美人は、沙夜だけ」 そう言うと沙夜を熱っぽく見つめ 彼女の頬から首元に向かって手を滑らせた 「(意識しないようにしてたけど、この広いお家に2人っきりなんだわ)」 「彗…あの…」 「何?」 沙夜が次の言葉に迷っていると 「俺の部屋に来なよ」 と言ってダイニングチェアを後ろに引くと 沙夜の手をとって、2階に上がった
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

569人が本棚に入れています
本棚に追加