夢見月

5/9

569人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
成田に着いたのは午後3時頃だった 到着の北ウイングで待ち合わせる 「沙夜!」 到着口にはすでに彗が待っていて 「荷物持つよ」 「ありがと」 スカイライナー乗り場に行き指定券を買うと 車内は割と空いていて、彗が隣で 手をギュッと握ってくる 「マジ会えなくて寂しかった」 「うん」 「沙夜は?」 少し拗ねたように聞いてくる それには答えず、 「ね、彗、1回家に帰って、荷物を置いてくるからさ、どこかにご飯食べに行こ」 「いいね」 「さすがに、日本食恋し」 「俺の事は恋しくなかったわけね…」 グイグイくる彗が可愛かったけど 車内は暖かく時差ポケもあって、 沙夜はまともに答えるより前に うたた寝してしまった ハッと気づくと日暮里で 彗は 「沙夜の寝顔、初めて見た」 と言い、そっと額にキスをした
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

569人が本棚に入れています
本棚に追加