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沙夜はマンションに帰ると
とりあえずスーツケースを自分の部屋に入れ、
お土産をバッグに仕舞うと、
エントランスで待つ彗の元に急いだ
ターミナル駅まで出ても良かったが
人混みが嫌だった事もあり、
沙夜の自宅から少し歩いたところにある
隠れ家的な和食のお店にした
夕食には少し早い時間で予約はしてなかったが、すぐに個室に通してもらえた
「あ〜!日本酒うまい❣️」
沙夜は小鉢をつつきながら、ビールより先に日本酒を頼む
きっと今日は飲まなきゃいられない
「彗はノンアルだからね」
「わかってる」
と言ってウーロン茶に口をつける
「俺も早くオトナになりて〜」
手鞠寿司を食べる頃には、メインのしゃぶしゃぶも準備万端
「そういや、俺、来週から教習所通うの」
「車、免許取るんだ」
「運転できる方がなにかと便利だし、今なら時間あるから」
「だね、私も持ってるけど、ペーパー」
しゃぶしゃぶのお肉は柔らかくて
ポン酢につけて食べると箸が進む
やたらとお肉を持っていく彗に
「彗は、野菜をもっと食べなさい」
と言うと
「かあちゃんみたい…」
「ふふふっ」
沙夜は笑いながら
「そうだ、酔っ払って忘れないうちに、はい、コレ、お土産」
と言って、紙袋を渡した
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