夢見月

7/9

569人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
「俺に?」 「うん」 「ありがとう、開けて良い?」 「開けて開けて〜」 彗は、キーケースもパスケースも喜んでくれた 1、2年の間はキャンパスが横浜の奥地なので、どうするか悩んだが、結局キャンパスに近い場所で一人暮らしをすると言う 「どっちも使う」 と言って大事そうにボディバッグに仕舞った デザートのフルーツを食べる頃には沙夜はお腹が一杯だったが、彗はどのお皿も気持ちいいほど キレイに食べていて 「さすが高校生!さすが男の子!」 と、沙夜を感心させた 会計の段になり、沙夜が払おうとすると 「俺に払わせて」 と言って譲らず 「(高校生なんだし、気にしなくて良いのに…)」 と思ったが、そこで『私が私がー』 な〜んてやり取りは、いかにもオバさんの あるあるネタになってしまう それに 「(彗のプライド、かな?)」 とも思い、ご馳走になる事にした お店を出たところで 「美味しかった ご馳走さま 空港まで来てくれて、私が払ったのに 彗、バイトとかしてないでしょ」 と言うと 「株の配当とか、たまに入るから」 「か…ぶ…?」 「それにお年玉も残ってるから、気にしないで」 と笑いながら言われた
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

569人が本棚に入れています
本棚に追加