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「俺に?」
「うん」
「ありがとう、開けて良い?」
「開けて開けて〜」
彗は、キーケースもパスケースも喜んでくれた
1、2年の間はキャンパスが横浜の奥地なので、どうするか悩んだが、結局キャンパスに近い場所で一人暮らしをすると言う
「どっちも使う」
と言って大事そうにボディバッグに仕舞った
デザートのフルーツを食べる頃には沙夜はお腹が一杯だったが、彗はどのお皿も気持ちいいほど
キレイに食べていて
「さすが高校生!さすが男の子!」
と、沙夜を感心させた
会計の段になり、沙夜が払おうとすると
「俺に払わせて」
と言って譲らず
「(高校生なんだし、気にしなくて良いのに…)」
と思ったが、そこで『私が私がー』
な〜んてやり取りは、いかにもオバさんの
あるあるネタになってしまう
それに
「(彗のプライド、かな?)」
とも思い、ご馳走になる事にした
お店を出たところで
「美味しかった ご馳走さま
空港まで来てくれて、私が払ったのに
彗、バイトとかしてないでしょ」
と言うと
「株の配当とか、たまに入るから」
「か…ぶ…?」
「それにお年玉も残ってるから、気にしないで」
と笑いながら言われた
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