夢見月

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近くにある公園を通り抜けしようとし 「この後どこ行く?彗の行きたいとこで良いよ」  と沙夜が聞くと 「沙夜…」 「うん?」 「もしかして今日が最後?」 沙夜はドキッっとして思わず彗の顔を見た 「最近話してても生返事だし、フラグ立ててたよね」 「なんでか理由聞いていい?」 畳み掛けるように聞いてくる 「誰か好きな人、出来た?」 沙夜は声を絞り出すように 「好きな人が出来たとかじゃない、ただ…」 「ただ、何?」 なんて説明すれば良いんだろう これから大学生活を送る彗と社会人になる私 生活環境が変わる中、すれ違いや誤解、 そんなのでケンカ別れしたくない 束縛して自由を奪いたくもない かと言って、遊びたい盛りの若い彗を自分に繋ぎ止めておくだけの自信もない …結局自分が傷つきたくないだけじゃん 「ピュアな貴方を受け止めきれないの」 「…わかんね」 「けど」 と彗は続けた 「沙夜がすごく困ってるのはわかる」 沈黙が続いた そして 「俺が引く事で、沙夜が楽になるなら」 泣きそうな顔に見えた 「今日は送らないから、気をつけて帰って」 「お土産、嬉しかった」 そう言うと、その場に沙夜を残し 振り返らずに去っていった
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