長幼の序 〜side彗

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「むしろ俺は彼女に感謝すべきだと思うね」 「う…感謝…」 「いっとき夢を見させてくれて、お前の下手クソな初めてを手伝ってくれて」 「だから、言い方!」 「…お前にしてみたら、自分が身を引いた感があるだろうが、彼女だって同じだよ」 「…」 「彗、お前の将来を考えて、離れてくれたんだよ」 「そうなのかな…」 「時に彼女の写メあるか?」 「あるけど」 スマホの写真をみせる 「…いや、お前の推しのアイドルショットじゃなくて」 「へ?」 画面を確認したが、沙夜だ 「だから、沙夜だよ」 遼にもう一度スマホを向ける 「握手会で一緒に撮ってもらったツーショじゃないのか」 「絶対違う」 「…いや、可愛いな、ぶっちゃけ俺のどストレートだ」 「もう、見せない!だいち遼兄は、婚約者いるだろ!」 全くもって油断ならん! 彗が本気で怒るのを見て遼は声を上げて笑った 「いや、そうか、理解した お前が必死になるのも無理はない」 遼は、まだ笑いが止まらない そこまで笑う要素あるか? 「そういや、母さんがなんか言ってたな、クリスマスにえらいキレイな子を連れてきたとかなんとか…今、話が繋がったわ」 ようやく笑いが収まると 憤懣やる方ない彗を見て 「笑ってすまない…けど、ハッキリ嫌いと言われたわけじゃないんだろ」 「それは…まあ」
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