盛夏(リアル)

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「…マジで沙夜と付き合ってた頃の俺はガキだったよ」 「…」 「別れた後、兄貴に諭されてさ」 「お兄さん?」 「今のお前じゃ沙夜の事を支えられないから、 もっと大人の男に成長しろと言われたよ、 沙夜はそのための時間をくれたんだと」 「そんなことを…」 沙夜は、改めて彗の顔を見た もちろん、高校生の時の面影はあるのだが、 あの頃より、落ち着いた大人の男に見えた 「中身もイケメンになったのね」 「沙夜に認めて欲しくて」 「私に?認めるって何を?」 「沙夜に、沙夜と付き合うに相応しい男だって事」 「そんな、私はそこまでの…」 沙夜に最後まで言わせず 「最初の俺の質問に答えてもらってないよ」 「…」 「沙夜、今、誰かと付き合ってる?」 見栄を張っても仕方ない  「今…、いないよ」 「じゃ、俺と付き合ってよ 今度こそちゃんと」 「彗、彗は良いの?私で あんな酷いこと…」 「さっき言ったよ、少し時間をもらっただけ」 「ありがとう、そう言ってくれて嬉しい」 「じゃあ…」 彗が言いかけると 「私ね、つい最近お付き合いしてた人と別れたばかりなの」 「…そうだったんだ」 「別にその人にまだ思いがあるって言うわけじゃないんだけど、今は少しだけ1人の時間が欲しいっていうか… ん〜、すぐに恋愛脳になれないって言うか…」 「わかった、待つよ」 「彗…」 「俺も少し焦ってるから、偶然ここで沙夜を見かけて、オーバーな言い方かもしれないけど、俺にとっては運命…、あ、引いた?」 「ふふっそういうとこ変わってないね、意外とロマンチスト」 「ある意味ここまで待ったんだ、あと少しぐらい待ったってどうってことないよ」 「うん」 「ところで、沙夜、この後時間ある?着替えてくるから、そしたら昼飯でも一緒にどう?」 「あ、彗はこの辺のお店詳しい?ちょうどこの辺でランチのできるお店を探してて」 「任せて」
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