チャンスの神様3 〜side彗

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チャンスの神様3 〜side彗

今日は、俺が以前コーチとして教えていた高校のテニス部で、夏休み中に行われる部活動の初日 コーチ業は大学の後輩にバトンタッチしたものの、少し気になり様子を見に来た所だった 午前の練習も終わり、クラブの活気ある様子を見て安心した俺は、後輩に後を任せ、着替えをして帰ろうとしていた その前に公園の自販機で水を買う と、その時だ 何気なく広場の方を見ると 公園のベンチに沙夜によく似た女性が座っている この1年、月に何度かではあるが ここに通っていて、それは初めての出来事だった 遠目にも整った顔立ちである事はすぐにわかり、 近くを通る人はチラチラと彼女の事を 見ていく 中にはファミリーで来ていて、嫁らしき女性も 一緒だと言うのに、無遠慮に見ていく奴もいた どうやら本人は全くそのことに気づいていないようだが そう言う俺も、お顔拝見と行きたく 「(もう少し近くで…)」 沙夜に似た女性を見ると つい習慣的に確認したくなってしまう 不自然にならないように、自然に…近づく いや、よく似た ではない…! 沙夜だ! なぜここに? 頭の中が一気にごちゃごちゃになり、思考回路が吹っ飛ぶ 自分を落ち着かせようと深呼吸をする きっとこれは神様がくれた最後のチャンスだ…! そして 最初に沙夜に告白した時のことを思い出し、 「お姉さん、今、付き合ってる人とかいます?」 俺は声をかけた
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