第十一回路

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第十一回路

カタカタカタカタ…… キーボードに文字を打ち続けた。 「そういえばあなたのお名前を…」 カタカタ……… タイピング音が当たりに響き渡る。 人がいないだけあって静かすぎた。 カタカタカタ……カタ。 エンターキーを軽く叩き送信をした。 ピロン♪ 返事はすぐに来た。 「九十九ちゃん、私の名前は九十九ちゃん」 口角が自然に上がった。 九十九ちゃん… 「九十九」 口の中でその名前を転がした。それはどこかいい響きだった。 雨水をためておいたペットボトルを軽く煽ると彼はニヤリと笑った。 「見つけた」 続く
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