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第二回路
「ミンナ、ニゲテ…ヒフ…イラナイ……ミンナ…コロシ……タクナイ」
私の手は真っ赤に染まっていた。
気がつくと先生の首を締めていた。
言葉がうまく発せない。
どうやら…記憶も薄れていっている。
そう、それでいいの。このロボットは私の心なんか必要としてない。
「ねぇ聞いて。」
心に呼びかけてみる。少し冷たい心から反応があった。
ロボットは先生の首を持ったまま固まっている。
「今日から…あなたの名は九十九ちゃん。せめて私の意思を少しでも残させて」
ロボットの心がほんのりと温かくなった気がする…。
そう……そうよ……。あなたはロボットなんかじゃない。
ロボットの気ぐるみを着た九十九と言う名の……。
生き物よ。
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