第十二回路

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第十二回路

そのメールは、まるでずっと返信をしていなかった私を催促していたようだった。 パソコンを閉じたまましばらくほおっておいた頃。 閉じっぱなしだったはずのパソコンからあの音がした。 ピロン♪ 「誠人…?」b19ed99a-a174-43aa-bef7-838e387890d5聞き覚えのあるメールの返信音。 当たり前のようにパソコンに手をかける、がその状態のまま固まった。 いいのか。本当にこれを開いてしまって。 今まで散々無視をしてしまった。 もしここでもうメールはするな、などと来ていたら。 私は何を生きがいにすればいいのだろうか、と言っても元々死んでいるようなものなのだけど。 それでも誠人と会話ができなかったらきっと暇で暇でたまらなくなるだろう。 電源を切っても時間が立ったら自動的についてしまう。 だが、ここでまた返信をしなければずっと暇な時間が長引いてしまう。 メールをしていない間はとてもつまらなく暇であったから。 私はパソコンをゆっくりと開いた。 だがいままで溶け始めていたはずが、そのメールを見て私は固まってしまうことになった。 「え…?どうして……?」 パソコンを閉じようとした。でも体が動かない。 オイルを刺し忘れたからだろうか。それともひさしぶりにパソコンに触って力が無くなった? いや違う。この状態のことを私は仕入れた情報からよく知っていた。 『恐怖』というのだ。 誠人からのメールそれは 「会いませんか?」 というものであった。 続く
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