作家への道

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編集者は、俺の原稿を読み終わるとこう言った。 「え~っと、『浦島太郎』だっけ? 陸地に住む漁師が海の世界に行くというのは、ある意味、異世界転生みたいな要素があっていい感じだと思う」 「異世界転生」 「ただ、陸の人間が海に行ったんだ。陸の人間しかできない技能を海の中で発揮して、無双してもらわないと」 「無双」 「異世界転生の肝はチートだ」 「チート」 「あと、最後がバッドエンドなのが今ひとつだな。読者は読後の爽快感を求めているんだ」 「そういうものですかね」 ということで、この出版社でも原稿は通らなかった。 俺は次の出版社へと向かった。
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