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「ただいま~」
重い足を引きずりながら、玄関ドアを開け、踏み入れて行く
(あ~あ、全身がひどくびしょ濡れ!
幸い、気温が高いからまだ良かったけど、やっぱり冷たい雨を長い時間浴び続けると寒いわ!
早く温かい雨を浴びたいわぁ~!
そして、今日は少し早めに寝よう!
今夜はもう、あまり大した勉強ができそうにないし)
玄関のたたきに二足の靴が乱雑に置き去りにされている
(うん???
もう~、だらしないな~!)
一足はあのオンナのハイヒール、もう一足は…初めて見る男の革靴
絶対にお父さんのものではない!
じゃー…ヤだ!あのオンナ、オトコを連れ込んでいるの!?
俄に緊迫して来る!
今にも心臓が破裂してしまいそうな思いをグッと堪えて、おそるおそる足を運び、進める
私達の寝室が位置する二階に続く階段の前に辿り着いた途端に、上からあのオンナのイヤらしい声がとぎれとぎれに耳に入って来る!
(おっ…お姉ちゃんったら……)
まっ、まさか、柚月お姉ちゃん、これから、あの革靴の主に抱かれようとしているの!?
信じられない!
この、神聖な水沢邸の中で…
そんな事が許されるのは、お父さんとお母さんだけよ!?
その水沢邸の中をこれから汚そうとしているなんて、絶対に許せない!
いつしか、あのオンナの部屋の前に辿り着いていて、最初はためらいながらも、気づいた時には、ドアを少しだけ開け、中を覗き込んでいた
私達の部屋はかなり広くて、見晴らしが良いのもたまには考えものだ!
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