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悪戯っぽい笑顔に、これが冗談だとかとても思えなかった
「頼むから、お願いだから、それだけはやめてください!
どんだけ恥知らずですか!
もう、これ以上、歴史ある水沢家の恥さらしにならないで!」
「アハハッ♪うっ、ウケる~♪
美月って本当におもしろいねぇ~♪
安心して!?
私にだって、常識ぐらいあるわよ」
「ならいいけど!
ねぇ、どうして?どうしてこんな…こんなはしたない事を!」
「んふふふッ♪
分かっているくせに♪
わざわざ今、言わなくちゃいけない?
美月って、実は結構意地悪で、とんでもない悪いオンナなんだね♪
その意地悪さといったら、私(ひと)を置き去りにして~、自分だけ朝ご飯を食べちゃって~!」
「私はこれから、大事な仕事に行くんだからね!
お姉ちゃんは何の仕事もしていないから、別にいいじゃん
私より遥かに料理が上手なんだし」
「ひどーい!あんまりだわ~!
これが姉に対しての態度!?
まっ、料理ぐらい上手くないと、二年も人妻はやってらんないもん
でも、だからって…」
「おっと!もうこんな時間!
また時間を無駄にしてしまった!
誰かさんが変な事ばかりするから!」
急ぎ足で職場へと向かった美月に、柚月は「今夜も楽しみにしていてねぇ~♪」と満面の笑顔で手を振る
そして、この夜もまた、美月が柚月に大いに苦しめられるのであり、そしてこれからも…ずっと……美月の生き地獄に終わりが見えないのである
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