道のしるべ

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彼女は地面に掘られた穴に向かって合図した。そこには縛られたぼくの肉体があって、横にはぼろ布をまとった老人がいた。 彼はこちらに向かってグッと右腕を突き出してOKのサインを出すと、斧を振り上げた。 展開、早すぎるだろう。 そう思う間もなく、ブチンとものすごい衝撃がぼくの魂を貫いた。肉体の首が斬り落とされたのだ。 「ごめんなさいね。ほんとに時間がなくて」 彼女は、首だけになった僕の魂をむずっとつかみ、化け物たちの方向に向けた。 「さあ、焼き払うのよ!!」 僕の魂は大きく息を吸い、吐いた。口から、すべてを焼き尽くす業火が放たれた。化け物たちがおぞましい叫び声をあげながら後退していく。 「素敵。素敵だわ。あたしが見込んだだけのことはある!! さあ、二人でこの道を守りましょう。パーキングエリアとやらができるんでしょ? 守り神になるのよ」 彼女の目がキラキラと輝いている。ああ、良かった。これでよかったのだ。 「きっと人も集まってくるわ。町ができたら、あたしたち、町の始祖になれるわね」 高らかな笑い声とともに、夜が明けた。美しい夜明けだ。まっすぐな道が輝いている。
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