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ストヤノフは意外そうな顔をした。
「いいのか?」
「まだ」
「それにそれは目的ではなく手段でしかない。あんたを止める必要があり、止めるにはその方法しかないなら仕方ないが、別に殺したいわけじゃない。別に殺し屋じゃないんだ」
請けた依頼の内容は、必ずしもストヤノフを殺す必要はない。むしろ殺さなくてよければ、そちらの方がよかった。
「しかし、ほんとに慕われているんだな。まるで正義のヒーローだ」
ピンギーは、街の人達かり実際に聞いた言葉を、少し茶化して言ってみる。
「正義のヒーロー、か…」
遠い目をしながらストヤノフは呟く。
「なんだ?不満なのか?」
「いや、そういう訳ではないが、ただ、私が正義とは、滑稽だなと思っただけだよ」
そう言って自嘲気味に笑った。
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