0人が本棚に入れています
本棚に追加
「しかし、後々に色々調べたがそんな事実はなかった。現にここには何も建っていない。"利用された"んだよ。双方の国にとって都合の良いシナリオに」
”本当は誤って落とされた”。本来ならば国際的な大問題になりかねない事案を、投下した側の国が様々な条件でドズレニー側を懐柔し、結果ドズレニーに一方的に責任を押し付けて問題を片づけて―うやむやにされてしまった。
「それ以来、私の生きる意味は復讐になった。そして、この街を利用していたたわけだ。正義のヒーローなんておこがましいんだよ」
ピンギーは黙って聞いていた。口を挟む余地もなかったが、
「私が戻らない理由が分かったか?そうしたら、さっさと街に帰れ」
「そうはいかない」
ピンギーは一つの結論に辿り着いていた。
「あんたのやろうとしていることが間違っているかは、この際一旦おいておこう。あんたがやろうとしていることが正義のためならば、それがあんたの正義だ。そして、この街の人からしたらそんなあんたは正義のヒーローなんだ。それは受け入れてもいいんじゃないのか」
「詭弁だな。裏切ったことには変わりないだろう」
最初のコメントを投稿しよう!