正義

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 「しかし、後々に色々調べたがそんな事実はなかった。現にここには何も建っていない。"利用された"んだよ。双方の国にとって都合の良いシナリオに」  ”本当は誤って落とされた”。本来ならば国際的な大問題になりかねない事案を、投下した側の国が様々な条件でドズレニー側を懐柔し、結果ドズレニーに一方的に責任を押し付けて問題を片づけて―うやむやにされてしまった。  「それ以来、私の生きる意味は復讐になった。そして、この街を利用していたたわけだ。正義のヒーローなんておこがましいんだよ」  ピンギーは黙って聞いていた。口を挟む余地もなかったが、  「私が戻らない理由が分かったか?そうしたら、さっさと街に帰れ」  「そうはいかない」  ピンギーは一つの結論に辿り着いていた。  「あんたのやろうとしていることが間違っているかは、この際一旦おいておこう。あんたがやろうとしていることが正義のためならば、それがあんたの正義だ。そして、この街の人からしたらそんなあんたは正義のヒーローなんだ。それは受け入れてもいいんじゃないのか」  「詭弁だな。裏切ったことには変わりないだろう」
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