【4P】危険なアルバイト

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次の朝、言われていた通り、5時にメールが届いた。 そこには配達する相手の住所と名前、配達する時間が書いてある。 初日の受取人は、アンソニーという人で、正午に配達せよとのことだった。 行ったことのない町だが、バイクで行ける距離だ。 俺は、スマホの地図アプリを見ながらバイクを走らせた。 荷物は小さいがけっこう重い。 何が入っているのかは見当もつかない。 気にはなるが、俺には関係のないものだ。 深入りしないためにも、俺は中を見なかった。 二日目…そして三日目。 問題は何もない。 至って順調だ。 俺の仕事は荷物を配達するだけなのだから、それも当然だ。 (心配することなんてなかったな。) 荷物はあと二つだけだ。 あと二日も、きっと問題なんて起きないだろう。 心配してたのが、馬鹿みたいに思える。 退屈しのぎにテレビをつけたら、ちょうどニュースが流れていた。 「次のニュースです。またも殺人事件が起きました。 同じ手口であることから、連続殺人事件と見られております。」 最近は、殺人事件なんて珍しくない。 それがたとえ連続殺人だとしても。 だが、被害者の名前を聞いた途端、俺の心臓は凍り付いた。 最初に殺害されたのがアンソニー、その次がカレン、そして、今日はダン… 『犯人は不明です。警察は目撃者が居ないか捜査中です。」 テレビの画面に映し出された三人の顔写真は、まさしく俺が荷物を配達した三人のものだった。 俺は不安にかられた。 嫌な汗が止まらない。 このままでは、俺が犯人にされてしまうかもしれない。 下手をすれば、口封じに殺されてしまうかもしれない。 俺は、心配でまんじりともせず、長い夜を過ごした。
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