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「それにしても美男美女よね、マネキンって」
「俺も気になってたんだよ。どうせならもっと親しみやすい顔形にしてほしいよな。これじゃ外国人じゃん」
「いいじゃない。イケメンに生まれ変わったみたいで。マネキンの顔はリサイクルで充分よ」
とは言いつつも、オールバックで彫りの深い顔立ち、含みのある厚い唇、ツンと尖った鼻。生気がないだけにちょっと冷たい印象もある。
「ねぇ。この人達に帽子被せたらどうかしら？ お父さんの野球帽あったでしょ、あれ持ってくる。ちょっと待ってて」
アサコは嬉しそうに寝室へと駆け込んだ。
「あったよ、あった！ こんなのどうかしら」
野球帽を被ったイケメン、必勝と書いたタオル鉢巻の美女、スイミングの帽子を被る美女。どれも日頃マサヒコが使っているグッズだ。
「ハハハ。随分イメージ変わったな」
「お母さんのアイデア、いいと思うよ」
真夏にピッタリのナイスアイテム。テーブルの上に3つのマネキンが並ぶ。
「じゃあいくよ。スイッチ……オン！」
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