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「おっ、もう時間だ。五分なんてあっという間だな」
「そっか。五分ってこと、すっかり忘れてた」
あの世とのパイプ役を果たすレンタル首は、時間が経てばオートスイッチで切れる。レンタルの値段は五分ごとの時間の長さで決まり、最短の五分ならば一万円。ただし初回は半額の五千円。最大二十分まで延ばすことが可能だ。
マネキンの頭の中には絶対に誤作動を起こさないタイマーが使われ、使用を終えたレンタル首はその日のうちに、持ってきた時と同じ業者が引き取りに来る。
「じいちゃん。次はお盆のときだね」
「あぁ。次はお父さんとお母さんも呼んでな」
「うん。今日はキャンセル待ちで急だったからお父さん達を呼べなかったけど、でもこれで使い方わかっ……」
プーッ、プーッ、プーッ。
「ああぁぁぁ」
ほとんど聞き役だった野村と望月は、落胆の声だけは大きかった。
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